丹羽 朋子 (NIWA, Tomoko)
ステイタス
博士課程
連絡先
研究課題
感性的経験および表現活動(広義の芸術実践)に関する人類学的研究
研究関心領域
民間芸術(フォークアート)、表現、展示、ものの人類学
対象地域
中国(陝西省北部の農村女性の手仕事 および 都市部の現代美術家の芸術実践)
日本(東北、三陸海岸、東日本大震災の津波被災地)
研究内容
■中国・陝北地域の剪紙(切り紙)を中心とする、「民間芸術」をめぐる様々な人々の営み、特に感性的経験や表現活動に関心があります。当地の剪紙は、農村女性たちを担い手とする楽しみを兼ねた家事仕事であり、近年は国家によって「民間芸術」として保護、発展が促されています。現在は、以下の3点に焦点を当て、調査・研究を進めています。
(1)伝統住居ヤオトンに住む農民たちの、四季の暮らしにいきづく手仕事や表現活動
(2)剪紙の「民間芸術」化のプロセス
(3)1930年代以降現在に至る、都市の芸術家たちの「陝北農村」経験と、それを通じた芸術実践
■東日本大震災で津波被害を受けた三陸海岸の伝承切り紙など、地域の文化資源に関して、聞き取り調査などを進めています。
研究業績
共編著 等
■2013 共著『窓花/中国の切り紙―黄土高原・暮らしの造形』(下中菜穂との共著、福岡アジア美術館主催、同名展覧会図録)、エクスプランテ.
■2011共編訳『魯迅の言葉』(韓冰との共編訳、魯迅著、中村愿監訳)平凡社.
■2011共編訳『魯迅箴言』(韓冰との共編訳、魯迅著、中村愿監訳)生活・読書・新知 三聯書店(中国).
論文
■2013 「馮老師の描画レッスン-ある中国人画家の「表現」的人類学」『超域文化科学紀要』18、pp.103-121.
■2011 「かたち・言葉・物質性の間-陝北の剪紙が現れるとき」床呂郁哉・河合香吏編『ものの人類学』京都大学学術出版会、pp.25-46.
■2011 「関於中国陝北剪紙的造型及言語的物質性:面対芸術的人類学物質文化研究的 新視角」(「中国陝北の剪紙をめぐる形と言葉のマテリアリティ:芸術に対する 人類学的物質文化研究の新たな視角の提言」)、周星訳、周星編『中国芸術人類学基礎読本』、学苑出版社(中国)、pp.467-482.
一般書(分担執筆)・商業誌等
■2014「中国・黄土高原に「カメラマン」として住まう―カメラを通して複数の眼を取り込む」椎野若菜・白石壮一郎編『フィールドに入る』(「FENICS 百万人のフィールドワーカー」シリーズ第5巻)古今書院、pp.120-136.
■2013 Introduction to the Exhibition "Window Flowers: Chinese Paper Cutting in the Huangtu Plateau - Forms in Daily Life", Fukuoka Asian Art Museum.
■2013「「窓花」-中国黄土高原に咲く、切り紙の花」『西日本文化』466、、pp.48-50.
■2012 「「きりこ」のある風景-再生をつかさどる被災地の切り紙細工」『季刊民族学』142、pp.44-70.
■2009 「中国・黄土高原に咲く剪紙の花」『季刊銀花 』160、pp.75-102.
学位論文
■2007 「「アジア家具」を「所有」する-現代日本都市におけるモノの受容と「意味」形成プロセスに関する人類学的研究」 2006年度東京大学大学院総合文化科学科修士論文.
学会・口頭発表
■2014.7 「「非当事者から「当事者」へ-東日本大震災における民間支援を考える」」国立民族学博物館共同研究プロジェクト「災害復興における在来知-無形文化の再生と記憶の継承」平成26年度第1回研究会、於:国立民族学博物館.
■2014.7 「フィールドワークの経験を「展示」する-「窓花/中国の切り紙」展における映像実践」国立民族学博物館共同研究プロジェクト「映像民族誌のナラティブの革新」平成26年度第1回研究会、於:国立民族学博物館.
■2013.10 「暮らしに息づく手仕事をいかに記録し、伝えるか-中国陝北地域の剪紙(切り紙細工)を事例として」(シンポジウム「世界遺産/無形文化遺産時代の文化と社会をめぐる現状と展望」)、於:福岡大学.
■2013.6 「津波被災者が/とともに手探りする、新たな〈共〉のかたち 」(分科会:「生」と復興に向けて―3.11と人類学)、日本文化人類学会第47回研究大会、於:慶応義塾大学.
■2013.1 「中国・黄土高原の農村における気候・環境変化をめぐる生業と剪紙の関係の諸相」 低温科学研究所研究集会「寒冷圏フィールドワークの課題と展望」、於:北海道大学.
■2012.3 「ある中国人画家の制作実践にみる観察・記録・創造性-「農民」と「民間芸術」をめぐる〈線〉と〈距離〉」第31回東アジア人類学研究会「モノからみる記録と記憶」、於:首都大学東京.
■2011.12 「剪紙は女の心の歌-形象化を支える物質性と時間」平成23年度みんぱく若手研究者奨励セミナー 「マテリアリティの人間学」、於:国立民族学博物館 .
■2011.6 「線で描かれる中国陝北の農民たち-ある「農民画家」の芸術実践にみる、もの・身体・ 場所の相互作用」日本文化人類学会第45回研究大会、於:法政大学.
■2011.4 「〈自画像〉として〈農民〉を描く- 中国陝北の〈農民画家〉の芸術実践をめぐる経験の諸相」第27回 民族藝術学会大会、於:岡山市立オリエント.
■2011.3 「中国延川の布堆画-剪紙や農民画との対比を中心に」国立民族学博物館機関研究「マテリアリティの人間学」プロジェクト「布と人間の人類学的研究」準備会合、於:国立民族学博物館.
■2010.6 「中国・陝北の剪紙をめぐる美術家たちのフィールド経験」日本文化人類学会第44回研究大会、於:立教大学.
■2009.12 「「もの」のゆらぎをどう捉えるか-中国剪紙(切り紙)を事例として」東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究プロジェクト「もの」の人類学的研究-もの、身体、環境のダイナミクス」第6回研究会、於:東京外国語大学.
■2007.3 「「アジア家具」を「所有」する-現代日本都市におけるモノの受容と「意味」形成プロセスに関する人類学的考察」日本文化人類学会2006年度第3回関東地区研究懇談会・博士論文修士論文発表会、於:成城大学.
展覧会の企画・制作
■2014.2-3 展覧会の企画/展示「窓花/中国の切り紙-黄土高原・暮らしのフィールドワーク」展、主催:せたがや文化財団 生活工房、於:同ギャラリー.
■2013.10-2014.1 展覧会の企画/展示「窓花/中国の切り紙-黄土高原・暮らしの造形」展、主催:福岡アジア美術館、於:同美術館.
■2011.10 展覧会の企画/展示パネル・資料制作
「下中弥三郎-百科事典を作った男」展、主催:財団法人下中記念財団、於:篠山市立中央図書館 展示ホール.
「立杭の巨人-やさぶろうのやきもの」展、主催:丹波立杭陶磁器協同組合、於:丹波伝統工芸公園 立杭陶の郷.
■2010.6-7 展覧会「七夕をめぐる日本の紋切りあそび、中国の剪紙」、於:平塚市美術館テーマホール.
民族誌映画上映、セミナー講師等
■2013.1 海外友好都市紹介講座「中国農村部の民間芸術について」、主催・於:練馬区役所.
■2011.8 ワークショップ講師「〈再見伝統〉-暮らしの中で今も生きている〈切り紙〉の文化を訪ねて―」、於:丸の内カフェ
■2011.6 民族誌映画「ミンガー・ヤンガー・サンワー」上映会、日中文化交流市民サークル'わんりぃ'主催、於:麻生市民館
■2010.8 市民アカデミー講師「中国・アジアの七夕とその周辺」、平塚市中央公民館主催「七夕を学ぼう!七夕まつりをもっと楽しもう!」、於:平塚市中央公民館
■2010.6 民族誌映画「ミンガー・ヤンガー・サンワー」上映会、日中文化交流市民サークル'わんりぃ'主催、於:町田市民フォーラム
■2009.6 民族誌映画「ミンガー・ヤンガー・サンワー」上映会、昭和のくらし博物館主催、於:同博物館
調査歴
■2008.1-現在 中国、陝北地域及び西安、北京等の都市部において、断続的にフィールドワーク調査。
■2011.6-現在 東日本大震災の津波被害を受けた三陸沿岸にて、NPO活動に参加しながら、聞き取り調査を実施。
教育歴
■2013.4-2014.3 東京大学教養学部「調査実習」・「民族誌作成」RA(リサーチアシスタント)
■2013.9-2014.8 昭和薬科大学 非常勤講師
受賞歴
■2012. 共編訳書『魯迅の言葉』にて、第18回APPA(アジア・ 太平洋出版連合)出版賞文学・一般書部門金賞受賞
経歴
1997.3 慶應義塾大学 文学部史学科 東洋史学専攻 卒業
1997.4 株式会社イデー入社 家具及びインテリア商品の仕入れ及び販売、店舗運営や展示会の企画・運営業務等に従事
2001.9-2003.5 (中国・北京)清華大学美術学院 芸術史論系 留学
2004.7 株式会社イデー 退職
2005.4 東京大学大学院総合文化研究科 修士課程入学
2007.4 同博士課程進学
2008.4-2010.3 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2010.7- 一芯社図書工作室設立。書籍や展覧会の企画・編集なども行う。
研究助成/その他
【研究助成】
■2001.9-2003.5 中国政府奨学金受給
■2007.4-2010.3 日本学術振興会特別研究員(DC2)・科学研究費(特別研究員奨励費)
■2011.10-2012.9 財団法人松下幸之助記念財団 研究助成
■2012.4-2013-3 公益信託澁澤民族学振興基金 研究助成
【その他、共同研究プロジェクトなど】
■2007.3 学芸員資格取得
■2007.6-2010.3 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員(共同研究課題「「もの」の人類学的研究―もの、身体、環境のダイナミクス」)
■2011.1-2013.3 国立民族学博物館 共同研究員(機関研究「マテリアリティの人間学」プロジェクト、研究課題「布と人間の人類学的研究」)
■2013.4- 国立民族学博物館 共同研究員(共同研究課題「災害復興における在来知―無形文化の再生と記憶の継承」)
■2013.10- 国立民族学博物館 共同研究員(共同研究課題「映像民族誌のナラティブの革新」)
■2014.4 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員(共同研究課題「「もの」の人類学的研究(2)―人間/非人間のダイナミクス)
備考
2014年9月現在