井家 晴子
ステイタス
日本学術振興会特別研究員PD(京都大学人文科学研究所)
連絡先
inoie.haruko(a)gmail.com
研究課題
出産、医療人類学
研究関心領域
医療 歴史・文化変容 性・ジェンダー 開発 身体・スポーツ
対象地域
日本(南西諸島を除く) 中東 アフリカ
研究内容
本研究は、出産の医療化のプロセスは決して単線的なものではなく、出産の場における人々の交渉を通じて生成してきたものであるという認識に立つ。こうした認識に立って、こういった出産の近代医療化の中心に位置すると言える出産現場における人々の交渉と選択を、医療制度の構造、都市―農村関係、それがもたらした社会変動、植民地時代から始まる医療・社会開発プロジェクトの系譜といった広範囲の要因と結び付けていくことを試みる。
研究業績
学会・口頭発表
2002.4.21 「出産の人類学─モロッコの事例を中心に─」、第5回現代人類学研究会(於東京大学 )。
2003.3.23 「出産の人類学再考―出産における選択の場をめぐって-」、第13回現代人類学研究会(於東京大 学)。
2003.11.30 「モロッコ王国における出産の医療化と地域社会の変動-伝統的出産介助者に対するトレーニングがもたらしたもの-」、第14回国際開発学会(於日本福祉大学)。
2004.10.28 「妊娠・出産における「異常」の概念と近代医療化による決定のシステムの変容―モロッコ王国に おけるベルベル人コミュニティの都市化の事例より―」、第17回イスラム人口研究懇談会(於早稲田大学)。
2005.5.15 「移民と「ジャムイーヤ(Jam‛īya)―モロッコ王国におけるNGOの発展と背景 ―」、日本中東学会年次大会第21回年次大会(於国立民族学博物館)。
2005.5.22 「保健制度と伝統医療の狭間で―モロッコにおける出産の医療化と住民たちの選択をめぐって」、 第39回日本文化人類学会研究大会(於北海道大学)。
2006.6.3 「子宮をめぐる世界-モロッコ農村部女性の語りの実践より-」第40回日本文化人類学会研究大会( 於東京大学)。
2006.10.13 「ハイリスク妊娠・出産と人々の「異常」概念-モロッコ農村部における母子保健政策と住民の葛藤-」『第47回日本熱帯医学会・第21回日本国際保健医療学会合同大会シンポジウム-文化人類学は医療協力の役に立つのか?』 於長崎ブリックホール
2007.3.10「なぜ、病院に行かなきゃいけないの?―モロッコ農村部における母子保健政策と住民の葛藤―」第2回若手フォーラム「医療・選択肢・幸福」、於日本学術振興会麹町事務室.
2008.10.4「モロッコにおける出産、医療開発、身体イメージの変容に関する人類学的研究」国立民族学博物館共同研究会「リプロダクションと家族のオールターナティブデザイン-文化と歴史の視点から」、於国立民族学博物館。
2008.12.7 「モロッコ農村部における人々の記憶と出産の実践」、第6回リプロダクション研究会、於日本大学文理学部。
2009.5.30 「身体に根づいた声、紙の上の知識-モロッコ、シュルーフ社会における出産とオーラリティ-」於大阪国際交流センター。
2009.6.7 「出産をめぐる身体の複数性」、国立民族学物博物館共同研究会「リプロダクションと家族のオールターナティブデザイン-文化と歴史の視点から」、於国立民族学博物館。
論文
(査読有り)
2003.11 「モロッコ王国における出産の医療化と地域社会の変動:伝統的出産介助者に対するトレーニングがもたらしたもの」、『第14回国際開発学会全国大会報告論文集』、pp. 430-435、第14回国際開発学会全国大会実行委員会.
2004.3 「出産の人類学再考―出産方法の選択の場を巡って」、『民族學研究』、日本文化人類学会編、第68巻4号、pp.555-568.
2007.5 「ハイリスク妊娠・出産と民俗概念―モロッコ王国農村部住民の「異常」「困難」に対する認識と対応をめぐって― 」、『保健の科学』、杏林書院、pp.316-321.
INOIE Haruko, 2009 "Compte rendu: TAKAKI Keiko(2007). Anthropologie culturelle du microcrédit - pour la démocratisation financière au Moyen Orient et en Afrique du Nord, Kyoto :Sekaishisousha" 『日本中東学会年報』:25(印刷中).
(査読無し)
2006.3 「彼女の胎児は50年眠っている-モロッコにおける過期妊娠信仰の現在-」『東アジアからの人類学―国家・開発・市民―』、伊藤亜人先生退職記念論文集編集委員会(編)、pp.137-144.
2007.1 「出産とリスク」、『産む・産まない・産めない-女性のからだと生きかた読本-』松岡悦子編、講談社現代新書、pp.157-174.
2007.7 「なぜ、病院に行かなきゃいけないの?―モロッコ農村部における母子保健政策と住民の葛藤―」、『SIMPATIA』、日本学術振興会・人文・社会科学振興プロジェクト「若手の会」編、第二号.
2008.2 「ハイリスク妊娠・出産と人々の「異常」概念―モロッコ農村部における母子保健政策と住民の葛藤―」、『人類学と国際保健医療協力』、松園万亀雄、門司和彦、白川千尋(編)、pp.117-150.
2008.3 「モロッコ、アトラスの村の生活の変容と住民たちの選択―村落開発NGOをめぐる移民と住民の共同プロジェクト―」、『マグリブへの招待―北アフリカの社会と文化―』宮治一雄、宮治美江子(編)、pp.177-191.
2009.2 「『産後うつ』のない世界―モロッコ」,『アジア遊学』119(特集:アジアの出産-リプロダクションからみる文化と社会)、勉誠出版、pp.96-106.
書評
報告書
学位論文
その他
学術雑誌等又は商業誌における解説、総説
2004.6 「妊娠・出産の近代医療化と人々の生活」、『JICAモロッコ便り』、JICAモロッコ事務所発行.
2004.7 「世界の出産・育児事情-いろんな国からこんにちは!赤ちゃん―モロッコ編」、『Pre-moプレモ』、主婦の友社、第3巻第7号通巻21号、p.133.
2004.7 「世界の出産・育児事情-いろんな国からこんにちは!赤ちゃん―モロッコ編」、『Baby-mo ベビモ』、主婦の友社、第3巻第7号通巻21号、p.173.
2004.8 「お腹の中で眠り続ける子供」、『JICAモロッコ便り』、JICAモロッコ事務所発行。
2006.2 「ファティマのお産-モロッコ・ベルベル人の村より-」、『月刊みんぱく』、国立民族学博物館編集、p.6、第30巻第2号通巻第341号。
2006.7 「ジンに憑かれたベルベルの助産婦」、『月刊みんぱく』、国立民族学博物館編集、第30巻第7号通巻第346号、pp.22-23.
2007.4 「ベルベルの山村文化」、『モロッコを知るための65章』、私市正年 佐藤健太郎編、明石書店、第26章、pp.141-146.
2007.4 「こんにちは赤ちゃん」、『モロッコを知るための65章』、私市正年 佐藤健太郎編、明石書店、第27章、pp.147-153.
2009.1 「産婆」、『文化人類学事典』、日本文化人類学会編、丸善出版。
調査歴
1999年10~11月(モロッコ王国、アイト・イクテル)
2000年10~11月(モロッコ王国、アイト・イクテル)
2003年9~10月(モロッコ王国、フェズ、ブールマン県におけるNGOの活動調査/JICAインターン)
2003年12月~2004年2月(モロッコ王国、アッタウィーヤ市、アイト・イクテル)
2004年5月~2004年9月(モロッコ王国、アッタウィーヤ市、アイト・イクテル、マラケシュ市)
2004年12月~2005年3月(モロッコ王国、アッタウィーヤ市、アイト・イクテル、マラケシュ市)
2005年6月~2005年9月(モロッコ王国、アッタウィーヤ市、アイト・イクテル、マラケシュ市)
2006年11月~12月(モロッコ王国、アッタウィーヤ市、アイト・イクテル、マラケシュ市)
教育歴
1999.4 大阪外国語大学留学生チューター(2000年3月まで)
2000.4 大阪外国語大学アラビア語学科TA(2000年9月まで)
2002.4 東京大学教養学部TA(2002年9月まで)
2007.4~9 埼玉工業大学非常勤講師
2008.9.16~20 日本赤十字北海道看護大学非常勤講師 集中講義
経歴
1999.3 大阪外国語大学アラビア語学科卒業 (96.10-97.9 テュニジア国立テュニス大学附属ブルギバ 言語学院留学)
1999.4 大阪外国語大学大学院地域言語社会専攻アジア・アフリカコース修士課程進学
2001.4 東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学科修士課程入学
2003.4 東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学科博士課程入学
2004.4-2006.3 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2003.9~10 国際協力機構(JICA)モロッコ事務所インターン(ローカルNGOの実地調査)
2005~ 日本学術振興会、人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究『豊かな人間像の獲得-グローバリズムの超克』「産育の現場からの考察」共同研究員(文化としてのリプロダクション研究会)
2008.4~2009.3 日本学術振興会特別研究員(PD・成蹊大学)
2008.4~ 国立民族学博物館共同研究「リプロダクションと家族のオールターナティブデザイン-文化と歴史の視点から」館外研究員
2009.3~ 日本学術振興会特別研究員(PD・京都大学)
研究助成/その他
2003.3~2004.3(財)国際開発高等教育機構 平成15年度研究フェロープログラム・フィー ルドワーク調査助成
2006.4~2007.3 澁澤公益信託澁澤民族学振興基金 大学院生等に対する研究活動助成
備考
2009年6月現在