北川 真紀 (KITAGAWA, Maki)
ステイタス
博士課程
連絡先
kitagawa.maki [at] anthro.c.u-tokyo.ac.jp
研究題目
現代日本の山間地域における「自然」経験と生の再編 ー水、ウイルス、動植物との接触/分離をめぐって
研究関心領域
自然、狩猟、動物感染症/エネルギー、オフグリッド/映像-人類学
対象地域
日本(栃木県那須町、福井県大野市ほか)
研究内容
現代日本のエネルギー問題、森林生態系の変化に起因するローカルな危機への対応(生活や実践の再編)を対象として人類学的研究をしています。
主な調査地は北陸地方の大野盆地(福井県)で、具体的には、野生イノシシの「豚熱(CSF)」感染と防疫対策、ダム建設による廃村と狩猟行為の変容、ツキノワグマの市街地出没など狩猟・鳥獣害対策を主軸としつつ、盆地での一連の自然経験に関する調査をしてきました。植物、モノ、野生動物、菌類、人間等のかかわりあいの諸相を、自然の変遷によって再編される生に着目しながらひもとくことを目指しています。
また、現代日本のオフグリッド実践(太陽光パネル等を使用して電力を自給する等、エネルギーや食の既存の流通網に依存しない自足的な生活実践)に伴う身体感覚・行為の変容と暮らし方の探求の過程で表出する創造性を明らかにする研究も並行して行っています。
研究業績
学会・口頭発表
2018/3/17 「『非電化実践』の人類学的考察に向けてーエネルギー、環境、感覚経験」日本文化人類学会関東地区研究懇談会、博士論文・修士論文発表会、於・東京大学
2018/4/21 「エネルギーの人類学へ―栃木県那須町における『非電化』技術の考察から」東アジア人類学研究会・2018年度若手研究者発表会、於・慶應義塾大学
2019/8/2 "Rearranging the flow of energy: the transformation of dwelling in the off-grid mountain huts in Ono-city, Japan", The SEAA regional conference 2019, at Waseda University.
2020/5/31 「猟師と「豚コレラ(CSF)」ー福井県における野生イノシシへの感染と防疫対策の事例から」日本文化人類学会第54回研究大会、オンライン開催
2020/11/26 「複数種の配置と生の再編ー北陸・大野盆地におけるツキノワグマの市街地出没とその対応策から」2020年度みんぱく若手研究者奨励セミナー、於・国立民族学博物館
2021/3/23 「オフグリッドと調査者の参与」科研A「惑星的な課題とローカルな変革:人新世における持続可能性、科学技術、社会運動の研究」ワークショップ、オンライン開催
2021/6/26 「「備え」から修繕、再編へ:コロナ危機下の日本における移住と家庭生活」国立民族学博物館 特別研究「コロナ禍に対するローカルな対処としての「文化の免疫系」に関する比較研究」研究会、オンライン開催
2021/7/2 「動物感染症対策における多種性とフェーズ: 日本の猟師と養豚農家による「豚熱(CSF)」防疫をめぐって」第917回東京都立大学社会人類学研究会、オンライン開催
2021/11/27 "Vaccination in the Wild: The Temporality of Classical Swine Fever and the Attentiveness of Hunters in Japan’ 2021 EAAA Conference, Online
2022/3/5「フィールド経験と人類学―福井県での長期調査から考える人類学的な態度について」第121回現代人類学研究会「人類学×民俗学?―両者を浮遊するアカデミック・サロン」、オンライン開催
論文
(査読有り)
2021 「オン/オフグリッドの家庭生活からエネルギー概念を再考する」『超域文化科学紀要』25号、pp.205-225
(査読無し)
2021「コロナ危機下の生活「再編」をめぐるエスノグラフィーー移住・自給自足・オフグリッド」『新型コロナウイルス感染症と人類学ーーパンデミックとともに考える』浜田明範・西真如・近藤祉秋・吉田真理子(編)、pp.149-166、東京:水声社
書評
2017 「書評 MacDonald, Scott. "American Ethnographic Film and Personal Documentary The Cambridge Turn" および ヴェレナ・パラヴェル、ルーシァン・キャステーヌ=テイラー(監督)『リヴァイアサン』」、『文化人類学』、日本文化人類学会、82 巻 1 号、pp.93-95
報告書
2017 「イメージの精霊—北部タイ・リス族の「招魂儀礼」を撮影する」、『2016年夏期北部タイフィールドスタディ予備報告書』、首都大学東京社会人類学研究室
学位論文
2013 "The Representation of the Other in Western Visual Culture in the nineteenth century" (2012年度上智大学外国語学部英語学科提出卒業論文)
2018 「『非電化実践』の人類学的考察に向けてーエネルギー、環境、感覚経験」(2017年度東京大学大学院総合文化研究科提出修士論文)
その他
2018.3 一高記念賞受賞(修士論文に対し)
調査歴
2017.4〜8 栃木県那須町「非電化工房」にて短期調査
2018.9〜2020.7 福井県大野市にて長期フィールドワーク
教育歴
2016.4〜2017.7 東京大学教養学部前期課程・英語教材TA
2016.10〜2017.1 東京大学教養学部前期課程・授業TA
2016.4~2018.7 駒場ライティングスタジオ(KWS)チューター(英語論文の執筆補助)
2020.4〜2020.11 東京大学教養学部後期課程「フィールド演習」RA
2021.9〜2022.3 早稲田大学人間科学部「人間環境科学概論」教育コーチ
2022.4〜現在 帝京大学「情報リテラシー」非常勤講師
2022.8〜2022.9 岡山大学「人類学」非常勤講師
経歴
2008.4 上智大学外国語学部英語学科 入学
2010.9〜2011.6 イギリス、エジンバラ大学 留学
2013.3 上智大学外国語学部英語学科 卒業
2013.4 株式会社BS朝日 入社(編成制作部所属)
2016.6 株式会社BS朝日 退職
2016.4 東京大学総合文化研究科超域文化科学専攻(文化人類学) 修士課程入学
2018.3 東京大学総合文化研究科超域文化科学専攻(文化人類学) 修士課程修了
2018.4 東京大学総合文化研究科超域文化科学専攻(文化人類学) 博士後期課程入学
研究助成/その他
2018.4〜2021. 9 日本学術振興会特別研究員-DC1
2020.6〜 日本文化人類学会植松東アジア研究基金
2022.4〜 澁澤民族学振興基金 大学院生等に対する研究活動助成
備考