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大久保 彩(OKUBO, Aya)

ステイタス

博士課程1年

 連絡先

aokubo1207 [at] gmail.com

 研究題目

「食べることの政治」へ向けて:日本のスローフード運動における味わい・知・共同性 (修士課程)

カリフォルニア日系農園におけるオルタナティブ食運動の人類学的研究:「種(species/race)」を越える共生実験としての農業 (博士課程)

 研究関心領域

オルタナティブ食運動(食の社会運動)、再帰的な食実践、農的営み、日系アメリカ人
食、身体、情動、倫理、「生」の人類学、マルチスピーシーズ人類学

 対象地域

アメリカ・カリフォルニア州


研究内容

博士課程の研究では、カリフォルニア日系農園におけるオルタナティブ食運動を主題としている。焦点を当てるのは、近代的食システムに付随する搾取の構造を批判し、農園における他の生物種・他人種との関わりを経済的な利害関係にとどまらない独自の共生関係に作り変えていく日系農場主らの実践である。より具体的に言えば、農園に棲まう雑草や虫を農薬で排除せずそれらを活かす道を探る、メキシコ系の労働者らとともに腰を下ろして働き、身体・情動的な関係性を築くといった彼らの取り組みを、「種(species/race)」の境を越えて共生の方途を探る日常的かつ実験的な営みとして分析していく。
 このような日系農園における取り組みは、彼らが「競合的友愛(competitive friendship)」と呼ぶような独特の共生観によって特徴付けられる。様々な生物種・人種が移入する中で数多くの出会いや衝突、混淆を生んできたカリフォルニアという土地の歴史、その只中に農場労働力として組み込まれ、差別を経験してきた「日系」の歴史を背景として培われてきたこの視座は、他の生物種・他人種との関わりをめぐって、⑴潜在的な対立関係、⑵相互変容関係の中の友愛の可能性の2点を前景化する。これは食システムをめぐる従来の研究が近代農業へのアンチテーゼとして提示してきた調和と正義の論理——ローカルな生態系の保持を訴える調和のパラダイム、あらゆる種・人種の自律性および公正な扱いを重視する正義のパラダイム——とは一線を画するものである。
 この「競合的友愛」という共生観がいかなる実践の中で培われ、どのようにオルタナティブな社会生態関係を生み出すのかを明らかにする本研究は、複数種間関係と人種間関係の問題を包括的に考察するための新たな視座をもたらすことが期待できる。

 2019年8月より現地調査を開始する予定である。


研究業績

学会・口頭発表        
20193月 「つながりを味わい、養う:日本のスローフード運動における知と共同性」日本文化人類学会2018年度関東地区博士論文・修士論文発表会、於東京大学
・2019年4月 「『食べることの政治』へ向けて:日本のスローフード運動における味わい・知・共同性」仙人の会、於法政大学

論文                        
(査読有り)


(査読無し)



書評                        

2018 「書評 Hayes-Conroy, Jessica. “Savoring Alternative Food: School Gardens, Healthy Eating and Visceral Difference”」『文化人類学』、日本文化人類学会、82巻4号、pp592-595

報告書                     



学位論文                  

2018 「つながりを味わい、養う:日本のスローフード運動における知と共同性」2018年度東京大学大学院総合文化研究科提出 修士学位論文。


その他                     




調査歴

2017年3月〜2018年9月 スローフード運動関連諸団体にて断続的なフィールド調査


教育歴

2017年4~8月 東京大学教養学部初年次ゼミナール文科 TA(文化人類学)
2018年4〜8月 東京大学教養学部初年次ゼミナール文科 TA(文化人類学)


経歴

2017年3月 東京大学教養学部 教養学科 超域文化科学分科 文化人類学コース 卒業

2017年4月 東京大学大学院 総合文化研究科 超域文化科学専攻 文化人類学コース 修士課程 入学

2019年3月 東京大学大学院 総合文化研究科 超域文化科学専攻 文化人類学コース 修士課程 修了

2019年4月 東京大学大学院 総合文化研究科 超域文化科学専攻 文化人類学コース 博士課程 進学


研究助成/その他

・2019年4月〜 「東京大学英語教育プログラム」採用


備考

2019年5月現在。