博士課程 (PhD Candidate)
- 北東北・東京における獅子舞・獅子踊りに関する人類学的研究 (Research on folk performing art Shishimai / Shishiodori from Northern Tōhoku and Tokyo) - 民族誌的フィールドワークにおけるカメラの利用: 身体の一部としてのカメラ (Cameras in ethnographic fieldwork: seeing the camera as an extension of the ethnographer`s body) - 前衛舞踊に関する人類学的研究 (Research on Japanese avant-garde dance)
青森県、東京 (Aomori Prefecture, Tokyo) 研究内容 教育歴本研究では津軽地域における獅子舞の文化人類学的研究を行ってきました。「松森町津軽獅子舞」の一人前のメンバーとして獅子舞の詳細に関わり、津軽地域および青森県の芸能や祭りを体験しながら資料を集めました。今までの日本の芸能研究で主流であった民俗学のアプローチとは異なった角度から議論を展開し、踊り、練習風景、人間関係、メンバーの生活史、その他の日常のミクロ社会的な現象がどうやってマクロなレベルに関わっていくかという観点から、参与観察をしながら身体性にかかわる問題系を整理しました。メンバーたちがいう「獅子になる」というキーワードとして、獅子舞および獅子踊りに参与する人間の生き方や世界観を把握し、マクロな歴史の一部分でありながらもミクロな感覚から生み出された芸能である獅子舞の身体性について、文化人類学及び現象論の理論を使いながら、民族誌的研究としてまとめています。この調査では、ビデオカメラの使用によって「守られるべき」伝統の空間にかかわる様々な資料を映像化することができました。インタビューや獅子舞の上演に限らず、練習や宴会などの日常生活の場面も撮影し、会話や演舞の細部とか雰囲気なども資料化できています。ビデオカメラの存在は、研究手段として有効なだけではなく、研究される方々の「まなざし」にも直接かかわってくる問題であることに気が付きました。現地のインフォーマントたちがしばしば語る「言葉や文字で表現できないことがあり過ぎる」という部分は、民族誌研究では言語による表現という壁があり、身体、動き、眼の合わせ方など異なった「意味」のコミュニケーションに関して、あるいは経験や出来事を記述する上である種の限界が存在します。そこで、民族誌映像によって地域の芸能が持っている伝統と現代の融合したユニークな特徴すなわち「文化を守る」という言葉の中に含まれている生き方の内実について明らかにしていきます。獅子舞をめぐる映像イメージに関する先端的な民族誌的研究です。カメラを向けることによっておこる現地の人の「まなざし」は自身のイメージにフィードバックされつつ、それぞれの身体性とかかわって芸能全体の方向性というよりマクロなレベルでの文化実践につながっていきます。 学会・口頭発表 2013.3.8 日本文化人類学会関東地区修士論文・博士論文発表会 (東北大学) 2013.4.27 第41回東アジア人類学研究会 (首都大学) 2013.11.10 The 2013 Anthropology of Japan in Japan (AJJ), International Christian University, Tokyo 論文 (査読有り) (査読無し) 書評 報告書 学位論文 2012: BECOMING SHISHI:ANTHROPOLOGY OF SHISHIMAI IN THE TSUGARU REGION / 「獅子になる」ということ:津軽地域における獅子舞の文化人類学的研究 (平成24年度弘前大学大学院人文社会科学研究科提出修士論文) その他 調査歴 2009.4-2013.4 青森県にて長期調査 2013.10- 東京都にて予備調査 経歴 研究助成/その他 2006.9-2007.9 日本学生支援機構奨学金 (JASSO Scholarship) 2009.4- 日本政府(文部科学省)奨学金 (Japanese Government (Monbukagakusho: MEXT) Scholarship) 備考 2014年4月現在 |
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