博士課程
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モダンガストロノミーレストランの文化人類学
日本、ペルー 研究内容 教育歴 私は1990年代後半から各国の高級レストランの一部で見られるようになった料理のスタイル、モダンガストロノミーを研究しています。それは「フランス料理」や「日本料理」、「ペルー料理」といった「伝統」に結び付けられたと料理とも、フュージョン料理やローカライズによる料理のような多国籍料理としても理解できません。その調理法の上での特徴は、従来高級レストランでは用いられなかった食材、あるいは食べ物とみなされなかったもの、化学の実験器具のような機器、ローカルな料理法を組み込んだ料理を作っていることです。例えば、黄色唐辛子の一種をキャッサバとともに発酵させ、花のような香りを際立たせたものを、凍結粉砕機でシャーベットにする様子が見られます。しかし、その本質的な特徴は、調理法の変化にあるのではなく、料理の考え方そのものに変化にあると私は考えています。 私は日本とペルーのレストランへのフィールドワークによって、モダンガストロノミーレストランで人々がどのように料理に取り組んでいるのかを調査しようとしています。それによって得られた調査結果と、食の文化人類学、感覚の人類学、芸術人類学、自然の人類学、科学技術人類学などの研究を交錯させることで、食べ物・料理とは何か、感覚の仕方がどのように変化するか、現代において自然とはどのようなものであるのか、事実とは何かといった問いに答えるのが私の研究の目的です。 学会・口頭発表 2016年3月 「どのような言説が芸術の生産を条件付けるか: 人類学的考察」日本文化人類学会関東地区懇談会・博士論文修士論文発表会、於・筑波大学 2016年6月 「分類としての禁忌とそうではない禁忌: ガストロノミーの文化人類学的研究」地域院生研究フォーラム、於・東京大学 2017年5月 「事実の生産としての料理: モダンガストロノミーレストランにおける事実の生産と言説」日本文化人類学会、於・神戸大学 2017年7月 「文化人類学の零度としての複数型嗜好品の読解:モダンガストロノミーに着目して」日本文化人類学会課題研究懇談会 嗜好品の文化人類学、於・東京大学 論文 (査読有り) (査読無し) 2017年10月 「なぜ「自然」と呼ばれないものがあるのか:モダンガストロノミーから考える」『ER』6(「人間を見つめ直す 人類の適応力と理性が試される時」):32-33. 書評 2017年1月 「Tim Ingold(著)、Making: Anthropology, Archeology, Art and Architecture、2013」『文化人類学研究 17』 翻訳 2017年2月 アナ・ロウェンホープト・ツィン「根こそぎにされたランドスケープ(と、マツタケ採集という穏やかな手仕事)」『現代思想』45(4) (2017年3月臨時増刊号 総特集=人類学の時代): 128-150. 2017年10月 アナ・ロウェンホープト・ツィン「自然も文化も織りなすもつれを追いかけて」『ER』6(「人間を見つめ直す 人類の適応力と理性が試される時」):16-19.(編集含む)2017年12月 キャスパー・ブルーン・イェンセン「"地球を考える:「人新世」 における新しい学問分野の連携に向けて」『現代思想』45(22) (2017年12月号 特集=人新世: 地質年代が示す人類と地球の未来): 46-57. 報告書 学位論文 2013年1月 「タルドとデュルケム――エネルギー論的社会理論としての類似」(2013年度 東京大学教養学部提出 卒業論文) 2015年12月 「どのような言説が芸術の生産を条件づけるのか――人類学的考察」(2016年度 東京大学大学院総合文化研究科提出 修士論文) その他 調査歴 2016年9月 ペルー、リマにて予備調査 2016年11月~2017年8月 日本のモダンガストロノミーレストランにてフィールドワーク 2017年9月~11月 ペルー・リマのモダンガストロノミーレストランにてフィールドワーク 2013年度夏学期 文化人類学基礎演習TA(東京大学教養学部) 2013年度冬学期 文化人類学Ⅰ(東京大学教養学部) 2016年度夏学期 初年次ゼミナール文科TA (東京大学教養学部) 経歴 2009年 静岡県立浜松北高等学校卒業 2009年 東京大学教養学部入学 2013年 東京大学総合文化研究科修士課程入学 2016年 東京大学総合文化研究科博士課程進学 研究助成/その他 2017年度 公益信託 澁澤民族学振興基金「大学院生等に対する研究活動助成」 備考 2017年12月現在 |
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